天然乾燥の檜について(その1)

現在Rootsの家の柱や梁の主要な構造体は、天然乾燥の檜を使用しています。しかも5寸(15センチ)と普通の家のサイズ(10.5から12センチ)と比べると柱においては倍の断面積にもなります。

なぜ天然乾燥なのか?

まず、現在の木材の乾燥方法は大きく3種類に分けられます。一つ目は高温乾燥、二つ目は中温・低温乾燥、そしてもう一つが天然乾燥です。

それぞれにメリット、デメリットはありますが、私は下記の理由から天然乾燥を選びました。(各乾燥方法のメリットデメリットは調べればたくさん出てきますので割愛させていただきます。)

一番は高温乾燥機を見学させてもらった時の驚きです。大きなコンテナを改造して作られた乾燥釜ですが、扉を開けた時に床と扉に木材から出た油が真っ黒くなってこびりついていたのです。もちろん木材も少し焦げたような匂いがします。木材にとって大切な油分や酵素が水分と一緒に排出されてしまっていたのです。どう考えても木材に良いとは思えませんでした。

実際に檜はシロアリや腐食に強いということで土台等に使用されていますが、油分が無くなっている高温乾燥の檜の被害が報告されています。

Rootsの家では柱や梁ばかりではなく、土台や大引などにも天然乾燥の檜を使用しています。

天然乾燥の挑戦

どうにか天然乾燥でできないかといろんな試みをしました。まずは今ではほとんど使用されなくなった地松を天然乾燥で挑戦してみましたが結果的に難しいと判断し中断しています。(諦めたわけではありません。)理由は割れやカビが多く、大きく製材しないと製品にならないのでコスト的に現実的ではないからでした。簡単に説明すると幅15センチ高さ24センチの梁をつくるには幅20センチ、高さ28センチくらいにオーバーサイズで製材しないとダメだということです。

私の目標は、普通の家と変わらない値段で天然乾燥の材料で家をつくるという普通に考えれば100%不可能なことです。天然乾燥だから高くなりますでは誰でもできるので意味がありません。

諦めかけた時に、たまたま製材所の社長さんから檜でやってみるかと勧められたのです。

結論ですが、成功してしまいました。

檜は松と比較してとても素性がよくねじれや割れが非常に少ないのです。約80年以上経った檜に限定して伐採してもらったのでそれもあるかもしれませんが、もちろん割れは出るものの大きな割れやねじれが無く、結果、歩留まりも良くなり同時期にまとめあげたBlox工法とかけ合わせる事で当初目標としていた普通の家と変わらない値段で天然乾燥の家が出来上がってしまったのです。

続きを見る

関連記事

最近の記事 おすすめ記事
  1. ライフサイクルコストについて

  2. 設計について

  1. Rootsのリフォーム

  2. 三方よしの家づくり

  3. ライフサイクルコストについて

カテゴリー

アーカイブ

検索


TOP
TOP