天然乾燥の檜について(その3)

丸太を無駄なく使う

一昔前の日本の家づくりは、山から木を切ってきて乾かし製材してまずは梁や柱をとりました。そして残った周りの材料で枠材や床材などをとって、1本の丸太をなるべく無駄なく使っていました。

しかし、現代の家づくりではその当たり前のことが出来ません。

その理由は、一本一本この丸太はどのように無駄なく使おうかと考えながら製材していたのでは、大量生産の輸入材などににコスト的に負けてしまうからだそうです。

また、家の形が多様化した現代では、梁の長さや縦横の寸法などが様々で、プレカット業者は、樹種も含めれば数十種類の寸法の梁の在庫を大量に準備しなければいけないために製材コストも在庫負担も大変なのだそうです。

梁については大きな丸太からとるのですが、残った周りの木材は昔は本格的な和室が多かったので枠材などの細かな材料に使われました。しかし、今の家は和室が少ないのと、無垢の木材は割れたり反ったりしてクレームの原因になることと、安価な木目調の新建材があるためにほとんど使われなくなりました。

海外の木材などを加工した集成材や米松などの安価な製品の出現が国産材の梁材の需要減に拍車をかけました。

要するに、柱に使われ捨てるところが少ない小径材は足りないくらいだが、梁に使われる大径材は使い道がなくなり下手すれば、良質な檜でさえバイオマスの燃料や合板の原料として安く売られてしまうとの事。

一通り製材業会の悩みを聞かせていただいたあと逆に素朴な疑問を質問しました。

大径材を丸太で安く買ってそれを無駄なく使えば安くなるのではないか。

Blox工法の考え方で家をプランすれば梁の規格も2〜3種類に絞れるので製材のコストも在庫負担も半分どころか3分の1くらいに削減出来るのではないか。

そんな事が出来るのかと、社長と担当者が私の話を聞いて狐につつまれたような顔をして聞いていました。

すぐにその場でプロジェクトチームが結成されたのは言うまでもありません。

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