Rootsとログハウスの原点
1990年、雑誌を片手に見よう見まねで建てた1棟のログハウスから、Roots工務店の家づくりは始まりました。最初は「太い丸太を使えば丈夫で長持ちする」と信じてログハウスを建てましたが、米松の丸太はたった5年で腐ってしまい、その理想は崩れました。
それでも、木をふんだんに使ったログハウスへの情熱は冷めず、探し求めてたどり着いたのが、圧倒的な耐久性を誇るカナダ産のウエスタンレッドシダーでした。実際、Rootsで20年以上前に建てたレッドシダーのログハウスは、塗装もしていないにもかかわらず、腐る気配すらありません。
しかし、輸入材の価格高騰などにより、現実的な選択肢として再び日本の木材へと目を向けました。たどり着いたのが、日本が誇る最高の建築材——「檜(ヒノキ)」です。
なぜ檜なのか
日本最古の木造建築・正倉院も檜で建てられ、1200年以上経った今もなお現存しています。実際、檜や杉で建てられた神社仏閣や古民家が数多く残っていることが、檜の耐久性と文化的な信頼性を証明しています。
しかし、現代の住宅はなぜここまで短命になったのでしょうか? 国土交通省の調査によると、日本の住宅寿命は平均30年。一方、イギリスは77年、アメリカは55年です。
その最大の要因が、「人工乾燥」にあると私たちは考えます。
天然乾燥がもたらす4つの価値
1. 耐久性・耐候性の向上
人工乾燥では高温で水分と一緒に油分まで抜けてしまうため、木材は脆くなり、経年劣化が早まります。天然乾燥なら、木が本来持つ油分が残り、腐朽菌や虫への耐性が高まります。
2. 自然な香りと美しさ
天然乾燥は木の色艶や香りをそのまま残します。住まいに入った瞬間に感じる檜の芳香と、手ざわりのしっとりした質感は人工乾燥材にはない魅力です。
3. 健康と快適さ
檜の抗菌・防虫成分は天然乾燥でこそ保持され、室内環境を清潔に保ちます。まるで森の中にいるような、深呼吸したくなる空気が満ちた家に。
4. 脱炭素への貢献
人工乾燥には大量の燃料が必要で、35坪の家で約5kgのCO₂を排出します。天然乾燥は自然エネルギーを活用するため、製造時の環境負荷を大幅に削減できます。
従来のログハウスとの違いとROOTS LOGの優位性
項目 | 一般的なログハウス (人工乾燥・ラミネート材) | ROOTS LOG (天然乾燥・無垢檜) |
---|---|---|
木材の種類 | ラミネート材 (接着剤を使った集成材) | 無垢の天然乾燥檜 |
乾燥方法 | 高温で急速に乾かす人工乾燥 | 時間をかけて自然に乾かす天然乾燥 |
香り・質感 | 香りが少なく、表面が乾燥で硬くなる | 檜本来の香りとしっとりした質感 |
耐久性(ノーメンテの場合) | 20〜30年が一般的 | 100年以上の寿命が期待できる(正倉院や神社などが証明) |
メンテナンス | 10〜15年ごとに外壁塗装が必要 | ノーメンテでも長期間耐久性を保つ |
接着剤の有無 | 有(化学物質を含む) | 無(自然素材100%) |
環境負荷 | CO₂排出が多い | 極めて低い(脱炭素に貢献) |
材の割れ、狂い | ほとんどない | 割れ、狂いが発生しやすい |
ROOTS LOGは、従来のログハウスが抱えていた「寒い」「腐る」「高い」「メンテナンスが大変」といったマイナスイメージを、天然乾燥檜と本物の素材の力で根本から覆しました。
なぜROOTS LOGが実現できたのか
天然乾燥の檜は、本来コストも手間もかかりすぎるため、「理想」ではあっても「現実」ではありませんでした。
しかしRootsでは、2017年から天然乾燥檜の住宅に取り組み、その加工・乾燥・設計ノウハウを自社で蓄積しています。だからこそ、一般的なログハウスと同等のコストで、100年後にはアンティークと呼ばれるような、本物のログハウスをつくることが可能になったのです。
ご興味のある方は、ぜひRoots工務店にお問い合わせください。私たちの原点と未来を重ねた「ROOTS LOG」を、ぜひご体感ください。