1. 見過ごされがちな「構造設計」の現実
基礎と構造は、家の「要(かなめ)」です。
しかし現在の住宅業界では、その大事な部分をプレカット業者に丸投げすることが当たり前になってしまっています。
あるプレカット会社に聞くと、構造図まで責任を持って指示してくる工務店はほとんどないというのが現状。
つまり、家の構造設計がきちんと検討されていないまま、自動化されたフローで進んでしまっているのです。
2. プレカット任せの構造設計のリスク
一般的な流れでは、設計士がプラン図を作成し、それをプレカット会社へ送ります。
その後、プレカット会社の担当者がCADに入力し、自動的に構造が生成されます。
しかし、その担当者が構造のプロフェッショナルであることはまれです。
構造上の合理性や美しさよりも、機械が“計算上OK”を出すことが優先されてしまう。
その結果、2階の柱の下に柱がない、梁の太さがまちまち、構造バランスが悪い――という状況が生まれます。
熊本地震では、構造設計の盲点を物語っています。
3. Rootsの考える「本当に強い家」
私たちRootsが目指しているのは、見た目にも触れても「これは丈夫だ」と素人でも納得できる家です。
それは、難しい専門用語を並べなくても伝わる強さ――
- 柱や梁が太いこと
- 主要な2階の柱の下には、必ず柱があること
- 構造全体のバランスが取れていること
- 木の年輪が細かく、密であること
- 違和感のない、美しく整った構造であること
この「構造の当たり前」をきちんと設計段階から形にしたのが、私たちのBlox工法です。
4. Blox工法とは何か?
Blox工法は、3640mm四方のグリッド(モジュール)と、主要柱直下率100%を基本に設計された、Roots独自の構造工法です。
この「主要柱直下率100%」という設計ルールによって、上階の柱の下には必ず柱があり、力がまっすぐ下へ流れる構造が実現します。
構造的な無理がなく、余計な大梁で支える必要もないため、結果的に無駄のない合理的な家になります。
5. Blox工法が実現する、強さと合理性
この工法では、梁のサイズも2種類に統一。
これにより、製材・在庫・プレカットの効率が格段に上がり、コストも大幅に削減できました。
実際、梁材の製材・在庫コストは、従来の約10分の1以下に抑えることに成功。
これにより、構造の品質を落とすことなく、高い耐震性とコストパフォーマンスを両立しています。
また、Blox工法は「構造と内装を切り分けた設計」になっているため、将来的なリフォームや間取り変更にも柔軟に対応できます。
6. 天然乾燥材とBlox工法の深い関係
Rootsのもう一つの特徴である「天然乾燥檜」の採用も、このBlox工法なしには実現しませんでした。
天然乾燥材は、乾燥に時間とスペースがかかるため、サイズや本数を絞ることがコスト管理の鍵となります。
Blox工法によって構造材の寸法と数量を標準化・最適化したことで、在庫管理が可能になり、夢物語だった“天然乾燥材の標準仕様化”が現実になったのです。
■ おわりに
「構造は見えないから後回し」ではなく、Rootsでは構造こそが設計の出発点です。
Blox工法は、見えない安心と、見える美しさを両立させる仕組み。
本当に強く、無駄がなく、美しい家を、ずっと安心して暮らせる価格で。
それを可能にするのが、RootsのBlox工法です。